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第26回統計科学セミナー「合計値回帰とそのクラスタリング」

作成者: 統計科学研究センター|2025.05.10

日時 : 20255月21日(水)16:3017:30
場所東北大学大学院情報科学研究科棟2階大講義室
講演者 : 廣瀬 慧 教授(九州大学 マス フォア インダストリ)
要旨本研究では、個々の値ではなく、それらの合計値を予測することを目的とした手法を扱う。特に、線形回帰モデルにおける合計値の予測に焦点を当てる。 合計値回帰モデルは、複数の回帰モデルを統合することで構築されるが、統合するモデルの数が多い場合、推定すべきパラメータ数が増大し、オーバーフィッティングが生じる。この問題に対処するために、合計値回帰とクラスタリングを組み合わせた手法を提案する。これは、回帰モデルをいくつかのクラスタに分け、それぞれのクラスタ内で合計値回帰による予測を行うというものである。 想定したモデルが真のモデルに含まれないモデル誤特定下で、本手法は新たなバイアス・バリアンス・トレードオフの理論を構築できる。この場合、クラスタ数がモデルの複雑さを表す。提案手法の性能をモンテカルロシミュレーションで検証するとともに、電力需要予測への応用を通じて、バイアス・バリアンスのトレードオフを実証する。 なお、本研究は、滋賀大学の松井秀俊先生および東京大学の増田弘毅先生との共同研究である。

Kei Hirose (Institute of Mathematics for Industry, Kyushu University).